東京遺産・相続放棄代行センターへのよくあるご質問
Q.相続放棄とはなんですか?
A.相続とは、被相続人のプラスの財産(預貯金や不動産など)も、マイナスの財産(借金など)も含めて全ての財産や地位を引き継ぐことです。
相続放棄の申述を家庭裁判所にて行うと、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も含めて全ての財産や地位を放棄することになります。
これは相続放棄申述の効果として、「相続人でなくなる」ため一切の財産や地位を承継しないということになります。
Q.相続放棄は、被相続人の生存中にすることができますか?
A.相続放棄は、被相続人が亡くなった後でなければ、手続をすることができません。
生前に推定相続人が、被相続人となるべき者から不当な圧迫を受けることを防止するためと説明されています。
Q.相続放棄は、被相続人の不動産を売却してしまった後でもすることができますか?
A.相続財産を相続人が処分してしまった場合、相続放棄ができなくなります。不動産は重要な相続財産ですので、相続放棄が認められなくなる可能性が高いでしょう。
Q.相続放棄は、被相続人の預貯金を葬式代に使用してしまった後でもすることができますか?
A.相当の範囲内での使用であれば相続放棄の障害にはなりません。不相応に豪華な葬儀を行った場合等は「相続財産の処分行為」とみなされますので注意が必要です。
詳しい内容はこちらをご覧ください。
Q.相続放棄は、被相続人の使用していた日用品を処分してしまった後でもすることができますか?
A.日用品などの一般的に資産価値がない相続財産に関しては、処分してしまっても相続放棄の障害にはなりません。
Q.相続放棄は、自身が財産をもらわない内容の遺産分割協議書に署名押印をする方法によりすることができますか?
A.相続関連のご依頼で詳細をお伺いしている際、「自分が財産をもらわない旨の遺産分割協議書に署名押印をして相続放棄をした」とおっしゃる方が多数おられます。
これは遺産分割協議書に記載のプラスの財産に限って「相続財産権」を放棄したこということになりますので、「相続人でなくなる」相続放棄とは異なるものです。
遺産分割協議書で相続財産権の放棄をしたのみではマイナスの財産は承継されます。
また、例え遺産分割協議書に自身がマイナスの財産を引き継がない旨を記載しても、それのみでは法律上これを債権者へ主張することができません。
相続債権者との協議が必要です。
相続に関して全く関与を持たない結果を望むのであれば、家庭裁判所にて相続放棄の申述をする必要があります。
Q.相続放棄の手続き中に、他の相続人から遺産分割の書類に署名押印をするように言われた場合はどうすればいいですか?
A.相続放棄の手続き中なので協力できないことを伝えましょう。遺産分割協議に参加することは「相続財産の処分行為」にあたりますので、応じてしまうと相続放棄が認められなくなる可能性がありますので、ご注意ください。
Q.相続放棄をした後、相続放棄を撤回できますか?
A.相続放棄の申述は、原則、撤回することができません。例外的に、詐欺や強迫など民法上の取消等の原因がある場合のみ取消が認められています。この例外的な取消も期限が設けられており、取消できる時から6ヶ月、相続放棄から10年以内のどちらか早い期限のうちにする必要があります。
詳しくは「相続放棄をした後の撤回や取消しの主張」をご覧ください。
Q.相続放棄が取り消される場合はありますか?
A.相続放棄の手続きが完了した後で、相続財産を隠したり、使ってしまったりすると単純承認とみなされ、相続放棄の効力を失う可能性があります。
また、騙されて相続放棄をした場合、脅されて相続放棄をした場合、適法に相続放棄の手続きを行わなかった場合等の一定の事由がある場合には、自ら相続放棄の効力を取り消したり裁判によって相続放棄の効力が取り消されることがあります。
Q.相続放棄をすると、生命保険の死亡保険金も受け取れないのですか?
A.いいえ、相続放棄をしても、基本的には、生命保険の死亡保険金の受け取りは可能です。
死亡保険金は、死亡により契約上直接受取人に帰属する財産であり、死亡保険金受取人の固有の権利であって、相続財産には含まれません。
よって、相続放棄をして相続人ではなくなっても死亡保険金を受け取ることができますし、生命保険金を受け取っても、相続放棄をすることができます。
受取人に「相続人」と指定されていても同様です。
しかし、受取人に「被相続人自身」を指定していた場合は、一度被相続人に帰属した保険金を相続により相続人が承継することになりますので、相続放棄をした場合は、相続人にではなくなるため、保険金を受け取ることができませんので注意が必要です。(生命保険金は相続財産となっているので、これを受け取ると相続放棄ができなくなります)
詳しくは死亡保険金:相続放棄しても受け取れるものをご覧ください。
Q.相続放棄した場合、被相続人の預貯金はどうなりますか?
A.相続放棄をすると相続人ではありませんので、被相続人の預貯金を絶対に引き出したりしてはいけません。もし引き出してしまった場合には、単純承認とみなされる場合がありますので注意が必要です。
相続放棄の結果として誰も相続する人がいなくなった場合、利害関係人等の請求により相続財産管理人が選任され、債権者に分配された後、特別縁故者がいない場合は最終的に国庫に帰属するか、5年或いは10年経過により預金債権が時効となり消滅することになります。
Q.相続放棄した場合、被相続人の不動産はどうなりますか?
A.相続放棄の結果として誰も相続する人がいなくなった場合、利害関係人等の請求により相続財産管理人が選任され、債権者に分配された後、特別縁故者も共有者もいない場合には、最終的に国のものになります。(現行法上)
Q.未成年でも相続放棄ができますか?
A.はい、未成年でも相続放棄の申述をすることができます。
ただし、両親等の親権者が未成年を代理して相続放棄をすることになりますので、その親権者も相続人である場合は、同時又は事前に親権者も相続放棄をしなければ、その代理する未成年は相続放棄できませし、また、親権者を同一とする未成年が複数いる場合は、親権者が同時又は事前に相続放棄をし、かつ、その当該未成年全員が同時に相続放棄をしなければ、相続放棄をすることができません。
相続人である者が他の相続人を代理するような場合を「利益相反」の状態といい、上記の扱いは、利益相反の状態で、相続放棄を利用して、相続人の間で一部の相続人を恣意的に有利又は不利にすることを防ぐためのものとなります。
事情により、親権者が相続し、その親権者と利益相反する未成年が相続放棄をする場合は、親権者はその未成年を代理できませんので、家庭裁判所にその未成年のために特別代理人の選任の申立てをし、その未成年を代理する者を選んでもらう必要があります。
特別代理人選任後は、特別代理人がその未成年のために相続放棄を行いますが、当然、その未成年に不利になるような相続放棄は行いません。
Q.相続放棄の手続き中に、金融機関から支払の請求された場合はどうすればいいですか?
A.相続放棄の手続き中なので、支払うつもりがないことを伝えましょう。
ちなみに相続放棄の完了を金融機関に知らせる義務はありません。
しかし、金融機関等から支払の請求をされたくない場合は相続放棄の手続きが完了したことを伝えましょう。
Q.相続財産全体がプラスだかマイナスだかわかりません。3ヶ月ではとても終わりそうにありません。こうした場合はどうしたらいいのでしょうか?
A.3ヶ月という期間は、家庭裁判所に請求して伸ばしてもらうことも可能です。伸ばしてもらう理由にもよりますが、プラス3ヶ月ぐらいになることが多いです。
3ヵ月の期間を伸ばしてもらったけれども、結局プラスマイナスよく解らない場合には、限定承認という方法もあります。これは、プラスの財産の限度で債務を弁済する方法です。
詳しくは代行業務内容(限定承認)をご覧ください。
Q.債権者や他の相続人に相続放棄の証明書を提示してくれと言われた場合どうしたらいいですか?
A.相続放棄をした時に、裁判所から「相続放棄申述受理通知書」と書かれた書面が届いているかと思います。これは再発行されない重要な書類となります。
債権者や他の相続人へは渡さないよう気を付けてください。
ご自身で大切に保管してください。
「証明書原本が欲しい」と債権者や他の相続人から言われた場合、相続放棄をした裁判所へ「相続放棄申述受理証明書」の申請をして取得ができますので、そちらをお渡しする方法があります。
ただし、この受理証明書は、債権者や他の相続人という立場でも取得ができるものです。
ご面倒であればはじめから債権者や他の相続人自身に取得をお願いしてしまいましょう。
その際に、「相続放棄申述受理通知書」のコピーがあれば、スムーズに証明書の申請ができます。
御面倒でなければ、通知書のコピーを債権者や他の相続人お渡しする方がよろしいかと思います。