相続放棄をした後の撤回や取消しの主張2

相続放棄をした後の撤回や取消しの主張

前回は、相続放棄の撤回ができなくなる時期である「相続放棄の後」とは具体的にどのような場面かについて、記事に致しました。

今回は、「撤回」と「取消し」の民法上の違いを記事にしていこうと思います。

撤回と取消しとの違いとは?

日常生活の中で「撤回」と「取消し」を使い分けて生活している方はほぼいないと思います。
民法において「撤回」とは、過去になされた行為の効力を将来に向かって消滅させること、と説明されます。
また、民法において「取消し」とは、過去になされた行為の効力を、行為の当時にさかのぼって消滅させること、と説明されます。

なぜ民法上、撤回と取消しでこのような効果の違いがあるのでしょうか?

なぜ、撤回と取消しでこのような効果の違いがあるのか?

この二つの違いは、効力を失わせなければならない原因が生じた時期にあります。

取消しの場合は、最初から問題があった場合です。
「許可を与えるべきではないのに誤って許可を与えた」というイメージです。

撤回は問題が後で生じた事例です。
「許可後に許可を与えるにふさわしくない問題が生じた」というイメージです。

だから取消しの効果は最初にさかのぼり、撤回の場合にはさかのぼらないのです。

以上が民法上の撤回と取消しの違いです。

次回は、どのような場合に「撤回」「取消し」ができるのかについて記事にしてみようと思います。

よろしくお願いいたします。